当院は、父である先代院長の時代から、長年、地域の皆さまのために貢献する「かかりつけ医」のいるクリニックとして機能することを目指してきました。それは、私が院長となった現在でも変わりません。地域の皆さまの健康を守るために日々努めております。
なかでも、腎臓内科については、腎臓の専門医であった父が当院を開院した当時から私も多くの患者さまが腎臓病で苦しむ姿を見てきたせいか、自然と父の後を継ぐ形で腎臓専門医となりました。とくに、この呉市東部地区には、現在、ほかに腎臓専門医がいないことから、私が常駐している当院が専門医院として診療に当たっております。
腎臓病で大事なことは、ガンなどの病気と同様に、「早期発見、早期治療」のひと言に尽きます。腎臓病はこれといった自覚症状がなく、自分でも気づかないうちに進行していきます。実際、健康診断の結果、数値が悪化していることを指摘されてはじめて腎臓病だと知る患者さまも少なくありません。しかも、発見が遅ければ、人工透析しか治療法がないケースもあります。
当院でも、そうした腎臓病の患者さまを多く診療していますが、透析治療を始めた患者さまとは、以後、長期にわたるお付き合いとなります。また、ご高齢の患者さまの場合には、腎臓病の症状だけでなく合併症も出てくる可能性が高く、的確な治療が必要となります。
腎臓内科の領域で大事なのは、まず健診などでご自分の腎臓の状態を知ること。たとえ無症状であっても腎臓の機能を示す数値が悪ければ、医師の指示に従ってすぐに治療に取り組むことです。急性疾患であれば、医療の進歩もあり、治療に希望が持てるのが現状です。あるいは、数値が正常であっても、それで安心して放置せず、将来のために予防策を講じることをおすすめします。そのために、当院では、医師をはじめ、管理栄養士や理学療法士などの関係するスタッフが一丸となって、患者さまやご家族の皆さまに対して治療やケアを行っています。また、「腎臓病教室」を実施するなど腎臓病について知識を深め、この病気や治療に親しんでいただけるような工夫も重ねております。
体調や健康について気になることがありましたら、どんな小さなことでもお気軽に当院の医師またはスタッフにご質問、ご相談ください。腎臓病に関連する糖尿病、脂質異常症、高血圧、内分泌異常、喫煙に対しまして、日本内科学会総合内科専門医による外来を設置しており、それらの病態や治療について、丁寧にご説明いたします。病気の治療は医師だけが行うものではなく、患者さまご自身が真剣に取り組んではじめて奏功するものです。私たち医療スタッフと患者さまが“ワンチーム”となって、病気に対して共通の理解を得て治療に臨む。そこから健康な暮らしへ向けて、共に歩んで行きましょう。