糖不全の治療の一環として、運動療法・食事療法・教育・精神的ケアなどを行うこと=腎蔵リハビリという治療法が注目を集め、だんだんと広がっています。主に腎疾患や人工透析の患者さまが対象となりますが、腎疾患の進行を抑えて透析治療を先延ばしにすることや、透析患者さまの機能障害の改善、残存能力の強化、合併症の予防、生活の質の改善などを目的に、主治医と理学療法士が運動療法を計画・実施していきます。なかでも、透析患者さまは、合併症や透析治療などによる影響から、筋力や体力が落ちるとともに、骨や関節が弱くなり、全身の運動機能が低下しがちです。心臓や血管もダメージを受けていることが多く、ひいては歩行障害や動きづらい虚弱状態(フレイル)を引き起こす可能性があります。そこで、透析患者さまは、適切な時期に、適切な量の運動(トレーニング、エクササイズなど)を行うことで、体力・筋力そして生命予後の回復・改善が期待できることが証明されています。当院でも、透析内科とリハビリテーション科が連携して、透析患者さまの病態や生活に合わせて、リハビリの実践に当たります。