院長よりご挨拶
今年は「寅年」です。中国伝来の十二支は、もともと植物が循環する様子を表しており、その年の特徴につながるといわれています。寅は十二支の3番目で、子年に新しい命が種の中で芽生えはじめ、丑年には種の中で育つがまだ伸びることができない。寅年は春が来て根や茎が生じて成長する時期、草木が伸び始める状態だとされています。
現在、世界中で流行が拡大している新型コロナウイルス感染症(Coronavirus disease 2019: COVID-19)。その原因となるのが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)です。
2年前に新型コロナウイルスが人から人へ感染が確認されて以後、命を落としてしまう方々が激増しました。現在新型コロナウイルス感染に対して、ワクチン接種や皆様が「密接、密集、密室」の「3密」を避けるように心掛けられた効果もあり、昨年10月以後は日本国内の新型コロナ感染者数は激減し、新型コロナ感染にて亡くなられた患者数も1万8千人から大きく増加していません。
しかし、昨年末に見つかった新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」によって、情勢が変わってきております。この「オミクロン」株は今までの新型コロナウイルスの変異株とは異なり、感染力が高いものの重症化はしにくいと報告されています。しかし高齢者、基礎疾患のある方(腎臓病、心臓疾患、糖尿病、呼吸器疾患)にとっては、油断できません。新型コロナウイルス感染症状である「発熱」、「咳」、「咽頭痛」などの症状を認めた場合、早めに検査(PCR検査)をお勧めいたします。当院においても迅速に結果が出るNear法による新型コロナウイルスPCR検査(約15分)を行っておりますので、ご相談ください。
皆様方には今まで通り、マスクを着用し、「3密」を避け、3回目のワクチン接種を早めに打たれることをお勧めいたします。3回目のワクチン接種についても当院においても実施させていただきますので、当院へお問い合わせください。
一方で、いよいよ新型コロナに立ち向かうための新たな「武器」も登場しました。厚生労働省は昨年12月24日、アメリカの製薬大手・メルクが開発した新型コロナの飲み薬「モルヌピラビル」を特例承認、ファイザー社の「パクスロビド」が日本でも近く承認申請される見通しとなり、ようやく新型コロナウイルス感染の治療の芽が生え、「寅年」にふさわしい新型コロナウイルス治療の基盤ができあがってきています。
まだまだ「平穏」を取り戻せるまでは時間がかかると思いますが、我々スタッフ一同、皆様方が安心して医療を受けていだきますよう鋭意努力いたします。
今年もよろしくお願いいたします。
2022年1月吉日
中央内科クリニック 院長 川合徹